HDから4K、そして8Kへ。高画質化する事で起こるメリットとデメリットとは

HDから4K、そして8Kへ。高画質化する事で起こるメリットとデメリットとは
2024年4月22日 ninefield

映像の画質は、この数年で飛躍的にアップしています。これまではHDでも十分綺麗だとされていましたし、実際にテレビを見ていても特に画質が悪いと思ったことはないでしょう。しかし今では4K・8Kという圧倒的な高画質映像も多く登場しています。
見る方にとってはいいことですが、こんな風に映像が高画質化していくことは、我々映像業界の人間にとってはメリットもデメリットもあります。



 

 



高画質映像のメリットは画だけで人を引き付けられる点

高画質映像の持つ画力の強さは、誰でも知るところなのではないでしょうか?4K・8Kという高画質にするとそれだけで、自分がその場にいて見ているかのような臨場感を得ることが可能になります。そのため、すごく画に引き付けられるようになります。
極端な話、特に盛り上がりがないようなストーリーのドラマなどでも、4K・8Kという圧倒的な臨場感の映像でお届けすれば、それなりに人を引き付けることが出来るでしょう。それが、高画質映像の大きなメリットです。
また、高画質映像自体のメリットではなく、4K・8Kという高画質で撮影すること自体にもメリットはあります。
たとえば4Kで撮影すれば、まだまだ一般的に多く求められるサイズ感であるHD動画として書き出す際、綺麗なズームが可能です。
4K動画をHDサイズにするならば、スケールを50%ダウンにします。そこからズームしたいと思ったら、スケールを元に戻せばいいだけ。でも最初からHDサイズで撮っていたらスケールを150%とか200%にしないとならないでしょう。そうなるとやはりズーム後の画質は段違いです。

デメリットは様々な面での容量の重さとコスト

高画質動画の編集は、すごく容量が大きく重たいです。編集する際には、当然マシンのスペックを求められるようになります。8K映像にさらに大量のブラーなどを乗せるとなったら、最新のCPUや大容量のメモリを搭載していても、スムーズには編集できない、書き出しにやたらと時間がかかるという可能性も出てくるでしょう。
快適に編集するためには常に最新レベルのマシンにしないとならないので、そこに対してのコストがかなりかかる可能性が高いです。それは、撮影機材にも同じことが言えます。8Kの撮影が出来る機材ともなると、当然ただHDで撮影が出来るだけの機材よりもコストは高くなるでしょう。
また、高画質にすると当然書き出した映像のファイルサイズも重たくなります。今後5G通信が本格的に広まっていけば、このファイルサイズの重さについては関係なくなる可能性も高いですが、現状はファイルサイズが大きければ大きいほど、通信でのやり取りの際に時間を要します。
そうした重さを頭に入れて、スピーディーに行動しないといけませんし、マシンや機材用にしっかりと費用を確保しないとならないというのは、一つのデメリットです。

デメリットもあるが魅力的な高画質映像

確かに4K・8Kの動画にはデメリットもあります。でも、メリットが魅力的なことは間違いありません。使い方を考えて適材適所で使っていきたいところです。
これから先、高画質化のような映像における様々な変化があるでしょう。でもきっとそれらにも、メリットもあればデメリットもあります。だから、大事なのはそれらを適切なタイミングでうまく使えるようになることです。

テキスト:ナインフィールド
プロデューサー 松野 一人