映像の世界で長くプロとして活動していくというのは、決して簡単なことではありません。日々刷新される技術…進化していく周りのセンス…。その中で淘汰されないためにはどうしたらよいでしょうか?
なんでもできる人になっておくべき
スキル的な面で考えると、何かのスペシャリストというよりも、何でもできる人になっていたほうが、長くプロとして活動しやすいでしょう。
というのもやはり、技術の進歩というのは本当に目を見張るものがあり、映像編集一つとっても今やアプリでもそれなりのクオリティのものが出来上がってしまいます。スマホのカメラだってどんどんレベルが上がってきていて、今後20年の間に、プロ仕様のビデオカメラレベルまで撮影能力があがる可能性もはらんでいます。
そのように、プロと一般人で機材レベルに差がなくなってしまったら、その機材が扱えるから仕事を得られるということもなくなってくる可能性が高いのです。だから、何でもできる人になっておいて、その時に人材が不足しているスペースで勝負できるようにしておく必要があります。
もちろんなんでもできるようにとは言っても、「できる」のレベルが一定レベルに達していないと意味がありません。全てのものを高水準でできる、そんな高スペックの人材になる必要があるでしょう。
常に勉強し続ける姿勢を
20年前の映像と今の映像では、クオリティが全く違います。20年前に「凄い」「何日も寝ないで作ったのだろう」とされていたような映像も、今見れば技術的には微妙ですし、今なら1日あればできてしまうというようなものもあります。
ということは、20年前にたとえスキルが抜群だとされていたとしても、そこから技術や知識を磨いてこなかったとしたら、今はすでに廃業せざるを得ない状態になっているということです。今後20年でも当然そうなるでしょう。
これから出てくる新しい機材、新しいセンス、そういったものを常に吸収し続けて、自分をアップデートし続けないと、20年という長い間プロとして活動するということはまずできません。
長くプロとして活動したいなら、日々映像作品を見るようにしたり、日々新しい機材にアンテナを巡らせたり、日々なにかの映像作品を模倣して作ってみたりと、常にインプットとアウトプットを繰り返しながら活動していく必要があります。
プラスアルファの提供で仕事を次に繋げる
20年後までプロとして活動し続けるためには、高い技術力を保つことはもちろんのこと、仕事を得られる環境を保ち続けないとなりません。
20年後まで仕事を得られる環境を保つために大切なのは、やはりリピーターを作ること。新しい顧客を得る努力も常に続けないとなりませんが、リピーターが増えれば増えるほど、何年も安定して仕事が出来るようになります。
仮に自分が所属する映像制作会社が廃業したとしても、自分へのリピーターがたくさんいれば、そのまま独立してもやっていけるようになるでしょう。だから、リピーターを作り続ける努力をすることは大切です。
リピーターを作るためには、プラスアルファの提供が効果的。相手の「こんなものを作ってほしい」という要望に対して、それをさらに良くできるプラスアルファの提案をして返すということを繰り返していきます。
このように一つ一つの仕事を丁寧に行えば、20年も30年も仕事を得られ続けることもあるでしょう。
高いモチベーションが必要なことは確か
映像制作の世界だけではないかもしれませんが、20年先まで第一線で活躍し続けるためには、高いモチベーションが必要なことは間違いありません。これらのような努力を続けるためには、モチベーションは必須です。
だから映像制作における自分のモチベーションはどこから来るのかを明確にしておくと、より長く活躍しやすい自分でいられるでしょう。
テキスト:ナインフィールド
プロデューサー 笹木 尚人