映像クリエーターには、多岐に渡るセンスが求められます。映像関連の仕事に興味がある人は多いのですが、この”求められるセンス”という部分のハードルが高いとお考えになる方が多く、諦めてしまう方も多いのが実情です。実際のところ、クリエーターにはどのようなセンスが求められるのでしょうか。
センスの共有
クリエーターに求められるセンスのまず第一は、クライアントが求めていることを共有するセンスです。何のために映像を使いたいのか、映像で何を伝える必要があるのかなど、クライアントの意図を引き出したり、汲み取ったりし、理解するセンスが必要です。
見せ方の表現
次に、その映像の目的に合うベストな見せ方をチョイスするセンスが必要です。人を見る気にさせる映像、内容を的確に伝える映像にするにはどうすればいいかを考案するセンスです。例えば、エアコンの構造を一般の主婦に説明する映像ならば、ドラマ仕立ての実写で現実感を出し、機械的な説明は女性が親しみやすいアニメキャラクターを登場させ解り易く説明させるのはどうだろうかなど、豊かな発想があり、その中から「最も適している」と思えるアイディアをチョイスするセンスが求められます。
好印象を与える映像
更に、映像に求められる情緒的イメージを創りだすセンスも必要です。映像によって求められるイメージは違います。しかし、求められたイメージを実現するだけでなく、最大限の好印象を与える映像作りができるかどうかがクリエーターの腕の見せどころです。会社案内の映像で堅実さ伝えることが第一とされたものでも、お堅いだけでは魅力が出ません。どこかカッコいい、見ていて楽しいものであることは必須です。更に、そこに時代のちょっと先を行く印象をエッセンスとして加えれば映像の価値も会社の価値も上がります。これらも基本はセンスが物を言う仕事なのです。
私達クリエーターは、多くの映像作品はもちろん、アート、音楽、小説など様々なものに接し、新しい息吹を取り入れてセンスを磨いています。常に業界をリードする映像創りを心がけているのです。
テキスト:ナインフィールド
ディレクター 村松 敬太