良い映像の条件の一つ?映像で背景をぼかす意味とは

良い映像の条件の一つ?映像で背景をぼかす意味とは
2023年7月17日 ninefield

たとえばホームビデオなどとは違うプロ仕様のビデオカメラや、あるいは一眼レフカメラでの動画撮影の場合、被写体以外の背景をぼかすことができます。実際映画やドラマのワンシーン、あるいは一部のインタビュー映像などでは背景ボケの映像を使うことも多いです。そのようにして背景をぼかすことにはそもそもどのような意味があるのでしょう。



 

 



被写体が際立つようになる

まず一番の効果はやはり、被写体が目立つようになるということでしょう。普通に撮影をしても、たとえば取りたい人だけ少し前に出したりすれば、多少被写体に存在感をもたせることはできます。その人以外の人間が映らないようにするという場合もしかり。ただ、それでも背景が綺麗に映っていると、どうしてもその背景に目が奪われることもあります。それは、意識的にも無意識のうちにもありえるのです。
しかし、ピントが映したい人にしか合っていなくて、背景がぼけてその人しか認識できないような状態だったらどうでしょうか?その場合には、その人を見るより他ありません。だから、その被写体がすごく際立つようになるのです。つまり被写体の存在感が増します。
たとえばドラマや映画などの、その人を際立たせることが多いものや、インタビュー映像など、その人の存在感を特に強くしたいというような映像で活用されることが多いのです。

立体感が出る

背景をぼかすと、それによって3D感が出るようになります。基本的にはカメラで撮影した映像には奥行きがあるものです。それでも、全体にピントが合っていると、のっぺり見えてしまうことがあります。全体がのっぺり見えると、やはり少し全体の印象が薄く見えてくるのです。
しかし、背景がぼけると、ぼけていない部分が少し前に出ているように見えるようになります。ということはつまり3D感が出るということになります。そうして3D感が出ると、映像の印象が強くなります。そのため、引き込まれやすい映像になるのです。

背景がぼけている映像は、何となく背景までびしっとピントがあっている映像に比べて、雰囲気が良く見えるという方が多いです。それは、言い方を変えれば高品質に見えるということにつながります。
ドラマや映画でそういう映像が多いですから、それと近い雰囲気の映像は高品質に見えるのです。当然高品質に見える方が映像作品としての魅力は高くなります。そのため、最近ではドラマや映画、一部のインタビュー等以外にも背景がぼけた映像が活用されることが増えてきているのです

もちろんなんでもかんでも背景をぼかしていればいいというわけではありません。でも、背景ボケの映像をうまく活用すればいい映像に見せることがしやすくなることも確かです。綺麗にぼかすには技術が必要なこともありますが、しっかりとどんな映像でも魅力的に撮影できる対応力や技術力を高めていきたいところです。

テキスト:ナインフィールド
ディレクター 林 要