多くの人々がSNSを日常的に使うようになり、インターネットでの広告宣伝手法も様変わりしてきました。最近の傾向としては一般広告から、動画広告の利用に全体的な流れがシフトしています。
動画広告も以前は企業の宣伝が主流でしたが、現在は裾野が広がって個人事業主でも積極的に活用しています。しかも動画制作業界の変化に伴い、動画広告制作をプロに依頼することも可能になりました。そんな動画プロモーションの新しい動きについて解説しましょう。
これからの主流は動画広告に!
商品やサービスの広告宣伝費は、すでにインターネットがテレビでの需要を追い越しています。スマートフォンの急速な普及が最大の要因と考えられますが、今度は情報通信技術の進歩が加速したため、誰もが手元で手軽に動画を楽しめるようになりました。
現在ユーザーが視聴する主なコンテンツは動画ですが、一歩遅れる形で動画による広告も急速に広がっています。これまでの推移から推測すると、2020年の動画広告市場はおよそ2,900億円規模にまで達する見込みです。
今後も動画広告の需要は伸び続け、2024年には5,000億円規模にまで拡大すると予測されています。これからはインターネットの宣伝広告は、動画広告が当たり前になるでしょう。
動画広告は一般広告よりも効果的
一般的なバナー広告に比べると、動画広告ははるかに多くの情報を伝えることができます。情報量が多いだけではなく、短時間で効率的に情報を発信できるというメリットもあります。
また動画広告の最大の魅力は、ユーザーにインパクトを与えることで、商品やサービスに対するイメージを残せる点です。これはテレビCMと同じ原理で、ユーザーに直感的な好印象を残すことができれば、購入するという行為につながる可能性が高いのです。
もう一つこれはインターネット広告全般に言えることですが、不特定多数の視聴者に一斉配信するテレビ広告とは違って、購買につながりそうな特定のユーザーに絞って配信できるというメリットもあります。
インターネット広告では、その広告に興味を持ってくれそうなユーザーを分析できるので、宣伝効果が飛躍的にアップすると同時に、費用対効果も大幅に向上します。その広告が動画であれば、さらに宣伝効果が高まることは間違いないでしょう。
動画広告の種類と特徴
小規模な企業やお店が動画広告を出す場合、なるべく費用を抑えて効果的に利用しなければなりません。そのためにはどんなタイプの動画広告を、どのようなターゲットに向けて発信するのか詳細に検討する必要があります。
そこで現在主流になっている動画広告の種類と、特徴や効果などについて説明しておきます。主要なインターネット広告を3種類紹介するので、この後で説明する費用と併せて選ぶと良いでしょう。
①インストリーム動画広告
YouTubeではメインのコンテンツが始まる前や、その動画の途中で再生される動画広告です。映像と音声をベースに文字テロップなども加えて、短時間で多くの情報を伝えることができます。
ユーザーはメインコンテンツと同じサイズで視聴するため、印象に残りやすいというメリットがある一方で、スキップ可能なタイプが多いので、興味を持たないユーザーにはすぐにとばされてしまいます。
②インバナー動画広告
主に動画サイト以外を利用する時に、通常のバナー広告枠を使って再生される動画広告です。基本的に音声はオプション扱いで、インストリーム動画広告ほどのインパクトはありません。
しかし広範囲なサイトで多くのユーザーを対象に配信され、しかもターゲットを指定して配信することもできます。費用を抑えてお店の宣伝をする時などは、効果的にユーザーにアピールできるかもしれません。
③インリード動画広告
スマートフォンで多く利用される形式で、サイト内でページをスクロールした時に、広告が画面に表示された時点で自動的に再生される動画広告です。ユーザーは動画の最初から視ることになるので、ストーリー性をプラスした広告に向いています。
メインコンテンツと同サイズで再生されるため、インバナー動画広告よりも興味を持たれる確率は上がります。ストーリー性があると、ユーザーにそのまま視聴される可能性も高くなります。
YouTubeのメインコンテンツは、一般のユーザーが投稿した動画でも注目される場合がありますが、動画広告はターゲットを分析した上で、最も効果的な内容に仕上げなければなりません。制作費を考慮しても、最終的には映像制作のプロに依頼した方が費用対効果は高いと言えます。
動画広告コストのめやす
広告費用が限られている場合、広告の種類と同時にコストも考慮しなければなりません。動画広告にはいくつかの課金方法がありますが、基本的には主に以下の4種類に分けられます。
①CPV(cost-per-view)
動画広告が1回視聴されると課金されます。視聴時間の設定が選択でき、最後まで再生された場合か、一定の時間再生された場合に課金されます。
②CPCV(cost-per-completed-view)
1編の動画広告が完全に視聴された時に課金されるパターンです。
③CPM(cost-per-mille)
動画広告の再生1,000回ごとに課金されます。
④CPC(cost-per-click)
動画広告が1回クリックされる度に課金されます。
こうした課金方法をカスタマイズして、ユーザーの希望に合わせた再生・課金方法により、動画広告配信を代行する企業もあります。
一例として費用のめやすを挙げてみると、再生数を重視するタイプでは1再生あたり0.8~2.0円で、反響を重視するタイプでは1再生あたり6.5~8.2円に設定されています。これはYouTube広告での例ですが、かなりの低コストで始められることが分かります。
また特に女性に人気のInstagramの場合、効果を上げるには1日1,000円以上の広告費がめやすと言われています。ただし動画広告の料金は、ターゲットやキーワードなどの条件設定により変動するため、事前に正確なコストを算出するのは難しいかもしれません。
上手な動画広告の活用法
現在多くの人がスマートフォンを使っていることから、動画広告の配信先としては通常のインターネット・サイトか、YouTubeなどの動画サイト、そしてFacebook・Twitter・InstagramなどのSNSが主流です。
多額の広告費を投下できる企業は別にして、なるべく低コストで効果を期待するなら、動画広告を配信するターゲットを明確にする必要があるでしょう。宣伝したい商品やサービス、お店の形態に合わせて、どのSNSを選択するべきか検討することも重要です。
インターネットの広告はテレビと違って、検索キーワードの設定や配信効果の測定など、詳細なデータを分析することができます。結果を基にフィードバックを繰り返すことにより、さらに効果的な配信が可能になります。
プロが手掛ける動画広告
最後に最も重要なポイントについて解説しますが、動画広告が正確にターゲットに届くようになっても、ユーザーの興味を引けなければ宣伝効果はゼロです。特にスマートフォンのユーザーは1つのページでの滞在時間が短いため、動画広告は最初の数秒が勝負です。
YouTubeの動画広告は5秒程度でスキップ可能なものが多く、その間に続きも視たいと思わせるような構成か、または5秒程度で広告のポイントを伝え切る構成がベストです。ここでスキップされてしまうと、すべてが水の泡ですから。
一方のSNSはさらに過酷な時間との闘いがあり、動画広告がインパクトを与えるタイミングは1~3秒以内と言われています。つまり動画を視た瞬間にユーザーの気持ちをつかまないと、宣伝効果は期待できないのです。
こうした点を考慮すると、動画広告を利用する企業やお店に合わせ、さらに宣伝した商品やサービスを詳細にチェックした上で、最も効果的な動画広告を制作するためには、映像制作のプロに任せることが近道です。
わずか数秒で相手の興味を引き付けるような映像には、何よりもハイレベルな技術力と優れた感性が求められます。コストにこだわりたい動画広告こそ、まずは映像制作のプロに相談することをおすすめします。
テキスト:ナインフィールド
ディレクター 林 要