多様化する配信プラットフォーム ネットとテレビで制作の現場はどう変わる?

多様化する配信プラットフォーム ネットとテレビで制作の現場はどう変わる?
2024年5月13日 ninefield

テレビ離れが進んでいるといわれてはや数年。最近では動画配信のプラットフォームもかなり数が増え多様化し、それに伴うようなネット配信の番組・動画もかなり多くなってきています。一方で当然ながらテレビ番組もまだまだたくさん制作されています。
では制作という面で考えた時、ネット配信の番組とテレビ番組とでは、どういう違いがあるのでしょうか?



 

 



ネット配信の制作はするべきことが多いことも多々ある

ネット配信番組というのは、予算やクオリティも含め本当にピンキリで、テレビと同程度の予算、スタッフの数をかけることが出来る番組もあれば、すごく少ないスタッフの数で制作をしないといけないこともあります。
テレビと同程度の予算やスタッフの数をかけることが出来る制作現場であれば、テレビ番組を制作する際と、さほど自分のやることに違いはありません。
しかし、スタッフの数が少ない状態での制作となれば必然的にするべきことは増えてきてしまいます。お金がないからナレーションをディレクターが担当するなんていうこともあります。
そのため、ネット配信の制作現場に入りたいと考えるのであれば、高い専門性を身につける前に、なんでもできる力を身につけておいた方が働きやすいでしょう。
実際に、あるネット配信番組の制作会社の求人で、「映像編集とライブ配信・イベント現場での技術スタッフの両方の仕事が出来る人を募集」というものもありました。そういう求人を出す会社は一つではありません。
逆にテレビの場合は完全に分業になることが多いので、専門性を高めておいた方が働きやすいでしょう。

ハードな現場がありうるのはネット配信番組制作

テレビ番組でもネット配信番組でも、ハードな現場にあたることはあります。でもよりハードな現場にあたりやすいといえるのは、ネット配信番組制作です。
ネット配信番組には、テレビではなかなかできないような無茶な番組もあります。
たとえば、あるネット配信番組で72時間もの間の生配信番組があり、出演者も大変ですが、制作の苦労もかなりのものになります。主要な制作スタッフともなれば最低72時間家に帰ることも出来ません。
もちろん72時間寝ないわけではなく、ほかのスタッフとローテーションで寝たり休憩をとったりしますが、それでもとんでもなくハードなことは想像に難くないです。
地上波テレビ番組制作では24時間テレビや27時間テレビに関わらない限りそこまでハードなことはそうそうないでしょう。でもネット番組では、アイドルグループが46時間配信をしたりなど長丁場の番組もテレビ番組以上によくあります。

なんでもできる対応力と体力が必要なのがネット配信の制作現場

基本的にネット配信番組の制作現場では、何でも出来るような臨機応変さと、長丁場の現場でも耐えうる体力が必要になってきます。
もちろんすべての制作会社、すべての現場でそうだというわけではないですが、これらはしっかりと持っていたほうが良いことは間違いありません。
それだけ聞くとやや辛そうですが、ネット配信番組の制作現場には勢いもありますし、やりたいことをやっているという団結感のようなものもあります。これから開かれていく、作り上げていく業界に惹かれる人は、ネット配信番組の制作会社にやりがいを感じるでしょう。

テキスト:ナインフィールド
ディレクター 村松 敬太