映像制作を生業にするためには、撮影のスキルや、映像編集力の高さは当然あったほうが良いです。しかし、それだけあれば映像制作の現場でプロとして活躍できるかと言われれば、答えはノーです。
プロとして現場でやっていくためには、他にも求められる能力はたくさんあります。
間違いなくコミュニケーション能力は必須
映像制作の仕事は、自分ひとりでまわっているわけではありません。一人で打ち合わせから構成、撮影、編集、修正対応となんでも行うことも確かにありますが、それでも必ずクライアントは存在します。
そのため、まず最低限として「相手はこの動画に何を求めているのか」「どういう動画であれば100%満足してもらえるのか」ということをしっかりと引き出すためのコミュニケーション力が必須になります。
実際にどういう立場で映像制作の現場に関わるかは人それぞれでしょうが、たとえ編集でも、撮影でも、あるいはアシスタント的な立場で現場に関わるのだとしても、自分に求められるものを正確に引き出すコミュニケーション力がないと、そこで仕事が滞ってしまい全体に迷惑がかかります。
さらにもちろん伝える力も大切です。たとえば「今機材の状態がこうなので、10分待ってください」と正確に状況を伝える能力。何も聞かされずに待たされると全体が混乱して、多くの人が10分を無駄にします。しかしきちんと状況を伝えることが出来れば、全体がその10分を違うことに活かせるでしょう。
大人数で動く映像制作の現場だからこそ、聞く力はもちろん伝える力も大切になります。
細かいことにも気が付ける注意力も必要
映像制作の現場では、細かい直しも多いです。その直しの繰り返しで、作業時間をロスするということが多くあります。そのため確実に直しになるような小さなミスは、撮影や編集したものの書き出しの前に自分で気が付かないとなりません。
そこに気が付く能力があれば、3回も4回も無駄な修正や撮り直しを繰り返すということにはならないでしょう。
映像制作の現場は、仮にスムーズに進んだとしてもぎりぎりだという時間設計になってしまっていることも多いです。そのため、こうした注意力によって余計な時間を削減できるのであれば、その能力は間違いなく重宝します。だから気づくという注意能力が求められています。
自分には何が出来るか考える力も大切
映像制作の現場では、いちいち何から何まで誰かに指示するのは難しいこともあります。そのため、コミュニケーション力を活かして全体図を把握して、その中で自分は今何をするべきなのかという事を自分で考えて実践する力も求められるでしょう。
現場に入ってしまえばいずれそういう状況にも慣れて、そういう能力も自然と身についていくものですが、常日ごろから与えられた状況の中で何をするべきか、何ができるかを考えておくと、いざ現場に入ったときにもしっかりと行動出来るようになるはずです。
求められるものは多いがどれもどこでも活きること
このように、映像制作の現場で求められるものは多いですが、これらはどれも、どの業種でもすごく活きてくるものです。
仮に今後、映像の現場から離れることになったとしても、こういう能力がある人材は間違いなく重宝されるので、今のうちからどれも意識的に鍛えておくに越したことはありません。
テキスト:ナインフィールド
ディレクター 北原 進也