「VE」という職種をご存知ですか。ビデオエンジニアです。ここではVEの仕事を簡単にご紹介しましょう。
色や明るさの調整
ビデオエンジニアは映像に関わる技術的な仕事を、広範囲に支える業種です。このVEの仕事の中で大きな位置を占めるのが、撮影した映像の色や明るさの調整です。実は、テレビカメラで撮った映像は、光源が変わると微妙に色が異なって画面に写ってしまいます。女優さんの顔を3台のカメラで撮影してそのまま放映したら、撮影したカメラによって肌や髪の色が違って写り、とても違和感のある映像になってしまいます。そこでビデオエンジニアが、放送前に収録した映像の映像信号の波形を調整することで、色、明るさ、画質などを整えるのです。
映像の魅力を引き出す
この色調整はビデオエンジニアの腕の見せ所です。そして、この作業は、色が揃いさえすれば良いのというのではありません。色味の具合で映像の印象が全く違うものになるので、例えば赤みを強くして情熱的な印象にするなど、演出の意図に沿う色調にすることが求められるのです。映像が与える心象のようなことまで考え合わせて、映像の魅力を最大限に引き出すことがVEには求められるのです。
信号の波形を調整
色の調整は、収録したビデオの場合、数えきれないスィッチが並ぶコントロール室で、モニターを見ながら作業をします。そのモニターに映っているのは、色のチャートのようなものであったり、グラフのように波形が映し出されるだけのものだったりで、一般の人はそれを見てもサッパリ意味がわからないようなモニターばかりです。ビデオエンジニアは、それらのモニターを見ながら、スイッチを操作して信号の波形を調整し、色を整えるのです。
他にも映像に関わる技術的な仕事は、幅広くビデオエンジニアに任されます。中継の機材のシステム構築を考えたり、機材をセッティングしたり、機材のメンテナンスもしたりとやることが沢山あります。また、機械的なトラブルが発生すれば、対処するのはビデオエンジニアです。ビデオエンジニアが、支えているからこそ他のキャストやスタッフが安心して仕事に専念できるのです。
テキスト:ナインフィールド
ディレクター 村松 敬太