今回はスポーツに関して書いていきたいと思います。みなさん、スポーツといえば先の東京オリンピック・パラリンピックにおけるアスリート達の活躍が記憶に新しいのではないでしょうか。サッカーワールドカップ カタール 2022ではノックアウトステージ進出や2023ワールドベースボールクラシックでの優勝など、この先ますますスポーツ熱が盛り上がっていくのではないのでしょうか?
いつでもどこでも見られる映像環境
スポーツを映像で伝えるのにもニュース番組のスポーツコーナーであったり、選手や団体に密着したドキュメンタリー。競技をそのまま伝えるスポーツ中継と伝え方は様々で視聴者にとってもTVだけでなく近年はパソコン、スマートフォン、タブレットなどによる配信と。いまや視聴者にとってスポーツ映像はいつでも好きなときにどこでも見られるものと言っても過言ではありません。
競技の狙いを定める
スポーツ映像を制作する際、ディレクターに求められる技能として、その競技の見どころ、醍醐味をいかに見る方に伝えるかという部分ですが、まずはその競技に関しての知識が求められます。ルールはもちろんのこと、いま調子のいいチーム・選手は誰なのか?その特徴はどういった部分なのか?必ず行なっているルーティンは?など事前にしっかりと調べあげ狙いをつけることで、大事なシーンを見落とさずに伝えることへとつながっていきます。この部分をなあなあでやってしまうと意外と重要な所で映像を撮り逃してしまうなんてミスが起きてしまうこともあります。
目に見えるデータの表示で分かりやすく
近年、野球やサッカーなど日本人選手が海外へ活躍の場を映すことで海外のスポーツ中継映像を見る機会が一昔前に比べると格段に増えてきました。それにより国内中継でも様々なデータなどの表示が増えてきました。野球ではかつては球速とカウントだけの表示だったものがいまでは投手の投球コースや球種などが一球ごとに明確に表示されサッカーでも選手ごとの走行距離、パスの本数から細かいスタッツまで。より選手の特徴がわかりやすい情報なども定番化してきました。これにより、自分ならこの場面ならどうするかなど感情移入しながら見る機会なども増えてきているのではないでしょうか?このようにスポーツ中継などでデータが表示されることは、時にわかりやすいガイドラインとなることもあれば、競技の映像をつぶしてしまい邪魔になってしまうこともあります。ここでもディレクターはしっかり取捨選択をし、必要なデータを正しいタイミングで提示することが重要です。
目に見えない想いこそが人に響く
ここまでディレクターの役割などスポーツに関して記してきました。競技の現場で起きていることを映像を通して伝える上で映像技術やデータなどの機械的な部分も大事ですが、アスリート達とその周りで支える人たちの競技にかける目に見えない熱い想いを伝えるということがスポーツ映像を作るでは一番重要なことです。そういったものが伝わってくる映像こそが多くの方の感動を生んでいるのだと思います。目に見えない熱い想いをしっかりと引き出して伝えることこそがディレクターの重要な役割となるのでしょう。
テキスト:ナインフィールド
ディレクター 高橋 孝太