映像制作上のトラブルは誰もが避けたい事態です。ここでは、想定されるトラブルと、それを回避するための注意点、作業に入る前の事前打ち合わせでしておくことは何かを確認しておきましょう。
完成品が「思っていたものと全然違う!」とならないために
映像は出来上がるまで現物を見ることができない特殊な商品です。制作会社が作ろうとしている映像構成(内容)や映像のイメージを事前にできる限り掴んでおきましょう。事前打合せの際に、サンプル映像を見せてもらいながら説明を受ければイメージが具体的になります。また、発注者の会社情報誌や商品カタログなどは制作サイドの参考になります。発注者側からも事前打ち合わせで資料を提示するなどして、求めるイメージの共有に努めましょう。
「予算オーバー!」とならないために
見積りが出たら、見積りの根拠を説明してもらいましょう。映像制作の費用項目は主に、人材と物(機材や設備)の確保と、撮影方法などの技術面が影響します。見積りは、企画書の内容を元に作られているので、企画書と見積りの関連を確認しましょう。それにより何に費用が掛かっているのかで映像構成(内容)との両方の理解が深まり、映像の仕上がりを想定する助けにもなります。不必要と思われる内容や演出があれば削除してもらうことで予算を抑えられます。また、悪天候によるロケの延期など、見積り以外の避けられない出費が起きる可能性もあります。それらを考慮し、予算オーバーにならない金額設定をしましょう。
「映像を使う日に間に合わない!」とならないために
事前打ち合わせで、納期とスケジュールを確認しましょう。完成品の納期は明確にします。また、撮影に使う商品の用意など、発注者がすべき事柄とその日程を確認し、手配を忘れないようにしましょう。商材が届かず撮影延期などにならないために制作会社に全てお任せの丸投げにはせず、書類や説明のよくわからない点は、そのたびに質問しクリアにして下さい。作業に入ってから内容を変更すると、納期がずれ込むばかりか、見積り以外の費用が発生します。費用の発生が伴う変更は必ず発注・制作両サイドで協議をしてから行うよう、あらかじめ決めておきましょう。
根回しの重要性
発注者サイドの企業様でよくあるケースとして、制作が進行してから予定変更になったり、別の上長様から違った意見が入って制作内容の見直しを迫られたりするケースです。ご担当者様も板挟みとなる典型的なケースですが、対制作会社以外にもトラブルの原因となる要素は数多くありますので、関係各所へのコンセンサスはしっかりと行っておく必要があります。
テキスト:ナインフィールド
プロデューサー 笹木 尚人