映像制作でまず求められるものは当然「品質」です。でも最近ではその「品質」と同じくらいに、「早さ」を求められることも増えてきています。
映像制作にはどうしてもある程度時間はかかってしまうものです。ただそれが求められている以上、なるべく求められている以上のものを提供していかないと、いずれ淘汰されてしまう可能性が高くなります。
そこでここでは、映像制作でのスピード感を高めるためのポイントについてみていきます。
自分なりのエフェクトテンプレートを作成する
映像制作では、全くしたことがないエフェクトの使い方をするということはあまりないでしょう。これまでの経験から「このエフェクトとこのエフェクトを掛け合わせてこういう使い方をすると、こういう効果になる」などといったことを思い出しながら編集を進めていくはずです。
つまり、よく使うエフェクトのかけ方というのは、ある程度決まっているということになります。ある程度決まっているのであれば、最初からそうしたよく使う効果はスムーズに引き出せるようにしておくべきなのです。
たとえばよく使うエフェクトだけを集めたプロジェクトファイルを作って保存しておき、制作物のファイルにそれを読み込んで、そこからエフェクトをコピペして抜き出しても良いでしょう。もちろんエフェクトプリセットとして保存するという方が使いやすければそれも全く問題ありません。
このようにして自分なりのエフェクトテンプレートをたくさん作成しておけば、仕事や勉強をたくさんすればするほど、作業はどんどん効率化していき、一石二鳥となります。
どれがどの素材かわかりやすくしておく
映像制作でよくあるのは、取り込んだ素材がどこにあるかわからなくなることです。わからなくなって一つ一つ調べていく回数が積み重なると、意外と時間をロスします。そうならないように映像制作時には、なるべく何がどこにあるかわかりやすくしておくべきなのです。
その為に重要なのは素材のファイル名を書き換えること。ファイル名は、特に何も書き換えずに取り込んだ状態のまま使用している方もしばしば見られます。
もちろん取り込む前にどんな素材なのか一目で分かるように、そもそものファイル名を書き換えておくのも分かりやすいですが、数が増えるとなかなか難しくなることもありますし、使い回す素材であれば元の素材の名前を書きかえることができないこともあるでしょう。
そのためAfter EffectsやPremiere Proに取り込んだ後でファイル名を書き換える癖をつけておくのがおすすめです。一見時間がかかる行為に見えますが、最初の手間は後々、大きな時短になります。
コストをかけられるなら単純にPC台数を増やす
もう一つのポイントは実にシンプルながら大きな時短になる方法。もしスピード感を高めたいなら、PCの台数を増やすのが効果的です。
特に今のPCのスペックがそこまで高くない人や会社にとっては、この方法は1日数時間分の時短になり得ます。
映像編集で地味にすごく時間がかかるのは、やはりレンダリング。レンダリング時間を少しでも短縮させるために、なるべく調整レイヤーでエフェクトをかけたリ、あってもなくてもそこまで差がないエフェクトを取り除いたりすることも多いでしょうが、やはり努力しても限界はあります。10分程度の動画に数時間レンダリング時間を奪われることもあるでしょう。
そんな時、もしPCがもう一台あれば、レンダリング中でもそちらで別のシーンの作成ができます。あるいはそこまでレンダリング時間がかからない場合でも、別PCで指示書や参考映像などを開いておけば、編集PCに負担をかけないままよりスムーズに作業ができるようになります。
2台PCを使うというのは、ある程度スピードを求められるようになったらマストだといえるでしょう。
スピード感はこれからも求められる
YouTuberやその編集を請け負う人の増加で、動画編集ができるということは徐々に一般化しつつあります。ましてや今の時代はAI自動動画編集サービスなどといったものもあります。
そんな中で他社・他者と差をつけられるのはやはりスピード感。だからスピード感はこれからもますます求められていく可能性は高いです。是非これらを参考にして、動画編集にかかるスピードをアップしていってください。
テキスト:ナインフィールド
ディレクター 有明 雄介