SDGsの活動を動画で紹介

SDGsの活動を動画で紹介
2022年6月6日 ninefield

ここ数年、「SDGs」という言葉が新聞やテレビを賑わせています。皆さんも一度は目や耳にしたことがあるでしょう。「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語だと「持続可能な開発目標」と訳されます。国内外を問わず、多くの公的機関や企業が、事業コンセプトやブランディングに活かそうと、各々「SDGs」の目標を掲げ、その達成に熱中しています。今回は「SDGs」ブームの背景と映像業界に及ぼす影響などを探っていきます。



 

 



SDGsブームの背景

そもそも「SDGs」とは、日本を含めた国際連合加盟国が2030年までに達成するために掲げた国際社会共通の目標を指します。目標は全部で17項目に及び、環境問題から貧困、教育、健康、エネルギーなど多岐にわたります。項目をご紹介しますと、「1. 貧困をなくそう」「2. 質の高い教育をみんなに」「3. 飢餓をゼロに」「4. ジェンダー平等を実現しよう」「5. すべての人に健康と福祉を」「6. 安全な水とトイレを世界中に」「7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「8. 人や国の不平等をなくそう」「9. 働きがいも経済成長も」「10.住み続けられるまちづくり」「11.産業と技術革新の基盤をつくろう」「12.つくる責任 つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.平和と公正をすべての人に」「15.海の豊かさを守ろう」「16.パートナーシップで目標を達成しよう」「17.陸の豊かさも守ろう」となります。
 
 先述のように、「SDGs」が掲げる17の達成目標の中には、「地球温暖化」や「海洋・森林」といった自然環境の保護の他、「ジェンダーの平等」や「働きがいのある労働環境」などの社会問題の解決も含まれます。例えば、最終的な商品の形は同じでも、SDGsの取り組みによって商品に「SDGsを考慮し製造されている」という付加価値が付きます。そして、企業が「SDGs」活動に取り組むことで、消費者や投資家に対し、社会貢献に積極的な企業というイメージを与えます。さらに、近年は企業だけでなく消費者や学生など、あらゆる層で環境意識や持続可能性意識が高まっています。消費者からのイメージが良くなると、就職希望者からも「SDGsに前向きな企業」として認知度が向上するでしょう。

 こうした社会の変化に応じて、最近は、政府でも補助金などを用意して、「SDGs」の目標達成に対するバックアップを進めていますし、「SDGs」への取り組み方如何で、株価への影響が出る場合も見られるようになりました。つまり「SDGs」に取り組むことは、事業活動の土台となる自然環境や社会の安定をもたらし、めぐりめぐって事業の持続可能性も高まるということになります。具体的には「SDGs」の流れに沿った商品開発や広報から、ビジネスチャンスが広がる可能性があることも、「SDGs」が注目される理由といえます。

SDGsと動画の親和性

こうした社会背景を踏まえると、企業がSDGsに取り組むこと自体は素晴らしいことです。しかし、取り組むだけでは勿体ないです。しっかりと「公開」することで、さらなる効果が期待できるでしょう。とりわけ、PRに動画を活用することは効果的な手段に映ります。企業のSDGs活動の情報には、直接的なニーズがあまりないため、文字だけの資料だと読んでもらえないことがありますが、15秒~数分程度の動画であれば、さほど抵抗なく見てもらえる可能性が高まるでしょう。

 また、「ポジティブさを感じさせる動画の雰囲気」と「ネガティブな訴求内容」といった具合にギャップを作ることで視聴者にインパクトを与えることも可能です。CSR活動「企業の社会的責任」やCSV活動「企業価値の創造」などを念頭に置いて、関連するSDGs活動をアピールすると、企業の認知度向上やブランディング、採用活動などにメリットが出てきます。

 さらに動画はSNSなどのソーシャルメディアでの拡散も期待できます。言わずもがな「SDGs」への取り組みを動画で公開することは、「SDGsに理解がある企業」というイメージをより高め、大きなアドバンテージになるでしょう。動画の公開が認知度拡大につながれば、企業のイメージも上がり、求職者も増えるかもしれません。

動画制作の際のポイント

 では実際にどんな動画を制作すれば、視聴者へ「爪痕を残せる」のでしょうか。まず、大切なのは「メッセージを一つに絞る」ことです。情報を詰め込みすぎると、かえって視聴者には何も伝わりません。メッセージを一つに絞ることで、視聴者にインパクトを与えやすく、記憶にも残りやすい内容になります。限られた時間の中で、「太く短く伝える」ことを意識しましょう。

 次に大切なのは、訴求したい商品やサービスを「SDGs」の項目に関連付けて紹介することです。「SDGs」と自社商品の関係を論理的に伝えることで、消費者への説得力が増し、理解も進みます。「SDGsを意識した商品」として、その商品に付加価値が生まれるだけでなく、企業のイメージアップにつながります。

 動画にストーリー性をもたせることも「見てもらえる」ための重要な要素です。動画投稿サイトが急成長し、動画コンテンツが溢れている現代、場合によっては2分以内の短い動画でも、視聴が最後まで続かないケースがあります。視聴者を飽きさせないためには、ストーリーが重要です。「主人公がいつ、どこで、何をする話なのか」を明確にすることはもちろんですが、主人公が「なぜ」その行動を取ったのかを伝えると、より動画への関心が高まるでしょう。

 そして最後は、配信する媒体を見極めることです。発信する媒体は自社のホームページやSNSといった自前のメディアはもちろん、YouTubeチャンネルや第三者メディアなど、多岐にわたります。例えば、既存の顧客やクライアントへの訴求を重視するなら、自社のホームページを活用することが効果的でしょうし、潜在顧客を取り込みたいなら、YouTubeや自社SNSの活用がベターです。もちろん自社SNSを利用する場合は、10〜20代にはInstagramやTikTok、30代以上にはFacebookというように、年齢層や特性に応じて、ターゲット設定を意識することが大切です。

制作会社への相談も重要な選択肢

 ここまで、「SDGs」が拡がる背景やブームを活かした動画制作のポイントなどについて、探ってきましたが、無論、「SDGs」の17項目をきちんと把握せずに、単に「世の中に良い行いをすることがSDGsだ」などと思っていると、ポイントがずれた動画を制作してしまう恐れがあります。「SDGs」と一口に言っても、どのポイントを抽出して紹介するかが大切になるため、充分に理解を深めた上で、項目としっかり関連付けて紹介していきましょう。

 ただ、こうしたポイントとの関連付けや効果的な見せ方を実現するには、自社の制作リソースでは不安という企業も多いと思います。言わずもがな「SDGs動画」には一定のクオリティやストーリー性が求められますから、工数がかかり、他の業務との兼業では早晩、行き詰まる可能性が大です。せっかく作るなら質を保ちたいという希望も遠のくでしょう。そこで映像制作会社への相談や依頼を選択肢に加えてみては如何でしょうか。制作会社ならば、経験に裏打ちされたアイデアを駆使し、効果的な動画制作を提案できます。また、機材面の調達や撮影・編集のスタッフもオールインワンで対応できますから、他の業務への影響が一切ありません。「SDGs動画」制作をお考えの際は是非、映像制作会社の活用をお勧めします。

テキスト:ナインフィールド
ディレクター 林 要