イベントムービー制作のポイント

イベントムービー制作のポイント
2022年1月10日 ninefield

 近年、会社イベントやエンタメ系のイベントの際に、スクリーンに動画を流す演出が増えています。イベントの主旨を伝えるだけでなく、会場の雰囲気を盛り上げる点でも、必要不可欠になっています。大規模なものとしてはビジネスショーやファッションショーなどのショーイベントが挙げられます。企業をクローズアップすれば「周年イベント」やキックオフミーティング、さらに、個人をフォーカスするブライダルなども、イベントに該当するでしょう。参加者の注目を引くことはもちろん、一体感を高めたり、参加者同士のコミュニケーションを促したりとさまざまな役割を果たします。さらに、これからイベントへ参加することを検討中の人にも、動画での紹介は大きな効果が期待できます。今回は近年増える「イベントムービー」の全貌に迫りながら、そのメリットや制作上の心構えを探っていきます。



 

 



制作上の心構え

イベントと一口に言っても、その主旨はさまざまです。例えば、社内イベントの場合、テクニックよりも動画の内容そのものに注目するケースが多くなります。代表的なのは、新卒の歓迎ムービーや表彰式、総会などで、この場合、シンプルでフォーマルな雰囲気の映像がイベントの主旨にフィットします。

 一方で、クラブイベントや音楽イベントでは、ポップで明るいBGMや最新の映像技術などが求められます。よく陥りがちですが、主催者目線で動画を作ってしまうと、情報を詰め込みすぎたり、独りよがりな映像になってしまったりします。つまり、イベント動画を制作するにあたっては、イベントの主旨に合ったテイストや参加者の目線に立って、作業を進めることが欠かせません。「ターゲット」や「目的」、「用途」について具体的に整理することが、映像の企画や方向性、さらには完成品の質をも左右する重要なポイントになってきます。

 

イベントムービー導入のメリット

イベントで動画を流すメリットは、何といっても「イベントの内容が伝わりやすい」という点です。参加者の心をつかみ、盛り上げることができますし、イベントに臨むワクワク感など、インパクト充分の動画を制作できれば、参加者の心を一気につかめます。また、広告やチラシには文字や写真、イラストしか載っていない場合が多く、訴求という点で限界がありますが、動画はその欠点を補って余りあります。膨大な広告費がかかるというリスクと天秤にかけた場合、動画に軍配が上がるのは論を俟ちません。
 
 動画化は、映像を通して、イベントの内容や主旨が、直感的に伝わりやすくなりますし、BGMや音声、さらにはテロップなどで、補足情報の追加が可能です。タイミング的には、イベント開始前、もしくは開幕時に動画を流せば、参加者の期待度を高められます。
また、予め、動画を広告としてインターネット上にUPしておけば、広告費の大幅なコストダウンにつながるでしょう。さらに、動画内でイベント主催者や企業の紹介を導入することで、スムーズな進行が可能となり、登壇者が話しやすい空気を作ることもできます。

 さらに、作った動画はイベント後も活用できます。イベント当日の様子をまとめた動画を作って、自社サイトなどWEB上で公開すれば、WEBへの来訪者にイベントの様子を伝え続けることができます。

 

時間軸で見る「イベント動画」の種類

「イベント動画」には、大きく分けて「当日までに流す動画」と「当日イベントの最中に流す動画」の2種類があります。

 まずは、イベントの事前に流し、イベントそのものに興味を持ってもらうための動画として、「ティザームービー」が挙げられます。これは告知用の予告動画のことで、イベントの最中ではなく、イベントの広告としてサイトやSNSに掲載されるケースが多いです。イベントの全貌は隠しつつ、視聴者の好奇心をくすぐるようなフレーズをちりばめて集客を募るのが、基本的な手法で、SNSなどで拡散に成功すれば、より多くの参加者を集められます。
 
 もう一つは、イベントの様子を伝え「実際に行ってみよう」という動機づけを引き出す動画です。イベントの宣伝という側面では「ティザー動画」と大きく変わりませんが、イベント参加者が楽しむ様子や、体験後のインタビューで語った感想を包み隠さず載せることで、イベントへの参加を迷っている場合、背中を押す効果が生まれます。開催中、もしくは前回のイベントの様子を動画化することも、有効な演出法ですし、前回のイベントの撮影データがあれば、ティザー動画と併用することで、集客に一役買ってくれる可能性が高まります。

 

「当日」に流す動画の種類と演出法

 イベントムービーには「オープニングムービー」「アタックムービー」「エンディングムービー」の3種類があります。まず「オープニングムービー」ですが、これは、名前の通りイベント開幕時に使われることを想定した動画です。
冒頭のカウントダウンで、参加者の注目を集め、そろそろイベントが始まるという雰囲気を演出し、参加者の心をつかみます。この場合、インパクトの有無で、イベントの盛り上がりが大きく変わってきます。

 「アタックムービー」は、オープニングや表彰式など、イベントの節目や展開に使われる動画です。主に観客の注目を集めることが目的で、印象的な効果音やスピード感あふれる映像で観客の目を引きつけます。オープニングムービーとは違い、オープニング時に限らず、イベントの途中でも流します。例えば、社内イベントの場合、表彰式の前など、イベントの要所ごとに、動画を流すことで、イベント進行に飽きが来なくなります。いわば「場面転換の映像」ですから、最長でも1分以内に収めた方が無難です。

 最後の「エンディングムービー」は、文字通り、イベントの最後に流れる動画です。
エンディングムービーを流すことで、観客にイベントの内容や楽しさを振り返ってもらい、改めて「来てよかった」と思わせる効果が期待できます。予め作成しておいたムービーを、映画で言うところのエンドロール的な役割で流すこともあれば、イベント当日の様子を撮影し、エンディングまでに編集、動画にするケースもあります。後者は結婚式の来賓へのビデオ配布をイメージするとわかりやすいでしょう。

 さらにこれらのムービーを全て包含して、イベントの全貌をインターネット上に配信する動画もあります。イベントに参加できなかった人も楽しめますし、イベントの内容そのものも記録できます。

 

プロへの依頼も有力な選択肢

 最近では動画制作アプリも普及し、簡単な動画ならば、一般の人でも制作ができるようになりました。とはいえ、時間もコストもかけてイベントを開催するなら、様々な工夫をして、ぜひとも成功にこぎつけたいのは当然です。こうした時こそ、プロへの相談を選択肢に加えてみては如何でしょうか?映像制作会社ならば、撮影や編集技術はもちろん、演出や音楽効果といった経験も豊富ですから、クオリティの高いイベント映像を制作してくれるはずです。技術力に裏打ちされた様々なアイデアも期待できるでしょう。イベントムービーの制作を思い立ったら、ぜひとも信頼できるプロへの依頼が、イベントトータルを成功させる必要十分条件といえそうです。
 

テキスト:ナインフィールド
ディレクター 有明 雄介